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慶良間諸島国立公園

写真:安波連ビーチ(渡嘉敷島
[安波連ビーチ(渡嘉敷島]

地図

 沖縄で育った人が上京したとき、東京近郊の海岸の灰色がかった砂を初めて見て、「これ、公害の影響ですか」とたずねたという話を、1980年代の初めにたずねた本人から聞いたことがある。確かに、沖縄のビーチで印象的なのは、珊瑚石灰岩に由来する砂の、まばゆいばかりの白さである。
 従来、沖縄海岸国定公園に含まれていた慶良間諸島が分離、独立して、平成26年3月に慶良間諸島国立公園に指定された。 国立公園の新規指定は、尾瀬や屋久島の分離独立を除くと、昭和62年の釧路湿原以来27年ぶりである。
 すぐれた多島海景観、“けらまブルー”とも呼ばれる、透明度の高い海水と、海中に展開するサンゴ礁を中心とした多様で華やかな生態系、ザトウクジラの繁殖海域であることなどが新たな指定の理由である。
 公園区域は那覇市の西方約30㎞に位置する島々と、その海岸から沖合7㎞の海域であり、面積は陸域3,520ha、海域90,475haである。このうち、水深30mより浅い海域8,290haを海域公園地区としている。主な島の面積は、最大の渡嘉敷(とかしき)島が15,8㎢、座間味(ざまみ)島が6,7㎢である。

植生

 陸域の植生は、山地の尾根筋などではリュウキュウマツ林が優先する。自然林のほか、植林されているところも多い。風当たりの強い渡嘉敷島西斜面では樹高が低く、3mほどしかないところもある。琉球列島の大きな島々を広く覆うスダジイ林は、ここでは限られた地域だけに分布する。そのほか、ビロウ群落が独特の熱帯的な景観をつくっている。

ケラマジカ

写真:ケラマジカ
[ケラマジカ]

 陸生の大型哺乳類では、ケラマジカが生息する。日本のシカの中で最南端に生息するもので、阿嘉(あか)島など4島に分布する。古記録などから17世紀頃、人為的に移入されたものと考えられているが、体型が小型化するなどの変化が進んでいるようで、ニホンジカの固有亜種とされ、国の天然記念物に指定されている。近年は人慣れして、近距離から観察できるようになっているという。
 そのほかの陸生動物では、リュウキュウヤマガメ、マダラトカゲモドキ(固有亜種クロイワトカゲモドキ)のような、分布域のきわめて狭い種類が生息する。

豊かな海の保全と利用

写真:ダイビング
[ダイビング]

 この海域は我が国有数のダイビングエリアである。地元ではガイドラインを定めて、オニヒトデ駆除なども含めたサンゴ礁の保全活動に取り組んでおり、渡嘉敷村と座間味村に自然再生施設が設けられる計画がある。


写真:ホェールウォッチング
[ホェールウォッチング]

 そのほか、冬期、この海域に現れるザトウクジラを対象とするホエールウォッチングも行われている。
 交通は那覇から座間味島、渡嘉敷島へ海路の定期路線がある。


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