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霧島錦江湾国立公園

写真:桜島
[桜島]

地図

霧島の花といえばミヤマキリシマが代表的であるが、ほかにもキリシマミツバツツジやキリシマエビネなど、この地の名を持つ種類が少なくない。明治時代から多くの植物学者が訪れ、調査が進んでいたためであろう。

また、ノカイドウはえびの地区の限られた範囲にわずかな株が生育しているだけの、きわめて分布範囲の狭い固有種である。幼木をシカ(キュウシュウジカ)の食害から守るため、半透明のカバーをかけるなどの保護策がとられている。

霧島地域-密集した火山群

写真:韓国岳山頂付近から、高千穂(左奥)、新燃岳(右手奥)
[韓国岳山頂付近から、
 高千穂峰(左奥)、新燃岳(右手前)]

宮崎・鹿児島両県にまたがる霧島火山群を中心に、桜島や指宿(いぶすき)などの錦江湾沿岸を含む公園である。昭和9年に霧島地域が雲仙、瀬戸内海とともに霧島国立公園として指定され、39年に錦江湾国定公園を編入し、屋久島地域を追加指定して霧島屋久国立公園となった。平成24年に姶良カルデラの相当部分を区域に加えたのを機に、島嶼(とうしょ)生態系を中心とする屋久島国立公園を分離独立させ、火山活動を起源とする公園として再編成された。

霧島地域は、20座以上の山が集まった山塊である。最高峰韓国(からくに)岳(1,700m)、新燃(しんもえ)岳、高千穂峰(たかちほのみね)など、多くが円錐形の山体の頂きに丸い火口を持つ、いかにも火山らしい姿の山々である。これらのうち、新燃岳は平成23年1月に享保時代以来約300年ぶりに爆発的噴火が発生して、現在も活動中である。その他、高千穂峰の寄生火山御鉢も過去にたびたび噴火している。区域には大浪池(おおなみのいけ)、御池(みいけ)など火口湖も多い。一帯には自然林が広がり、高千穂峰にはミヤマキリシマの大群落がある。高千穂峰は、また天孫降臨(てんそんこうりん)伝説の地であり、山頂には天逆鉾(あまのさかほこ)が突き立っている。高千穂河原にはかつて霧島神宮があったが、18世紀の噴火により焼失した。

この地区の利用拠点は、韓国岳北西に広がるえびの高原である。えびのは温泉や噴気孔があり、ススキの穂がえび色に枯れるところからついた地名とされる。その他、高千穂河原は韓国岳などへの登山基地であり、また、南西側の山麓には林田、明礬(みようばん)、丸尾など多数の温泉からなる霧島温泉郷がある。

錦江湾地域-国内随一の海域カルデラ

写真:立目崎と開聞岳
[立目崎と開聞岳]

錦江湾(鹿児島湾)は、北部の姶良(あいら)、湾口の阿多両カルデラ(ともに複数のカルデラの集合とされる)と、それをつなぐ溝状の低地によってできた深い湾である。公園区域は、北部の桜島と湾奥部の海岸、薩摩半島南部の指宿地区及び大隅(おおすみ)半島先端部の佐多地区に大別できる。

桜島(1,117m)は、姶良カルデラの南の外壁上に噴出した火山であり、3つの山体のうち南岳が今も盛んに活動している。もとは島であったが、大正3年の噴火の際の溶岩流により大隅半島とつながった。西麓の袴腰にはビジターセンターなど諸施設がある。その他、湾岸の脇元、若尊鼻、クロマツの防潮林がある重富海岸などを含む。重富海岸には、錦江湾最大の干潟がある。

指宿地区の開聞(かいもん)岳(924m)は、海岸から立ち上がる円錐形の山で、足元にはカルデラ湖の池田湖や火山湖の鰻池があり、オオウナギが生息している。西方の花瀬崎付近には溶岩が押し流されてできた縄状玄武岩が見られる。また、南岸には岩壁に阿多カルデラの陥没から残った火山岩尖が見られる。指宿温泉はこの地域の利用の中心地である。沖合の知林ヶ島は大潮の干潮時には砂州で田良岬とつながる陸繋島である。

九州本土最南端の佐多岬は海岸の断崖景観がすぐれており、ソテツやビロウなど、多くの亜熱帯植物が生育している。また、サシバやアカハラダカの渡りの中継地となっている。岬の近くには流入河川がないため海水の透明度が高く、すぐれた海中景観を有している。

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