<No.72>
2005年6月22日(水)




福島の県花・ネモトシャクナゲ

 

全国各県に県木や県花というものがあり親しまれています。ここ福島県の県花はご存知「ネモトシャクナゲ」。1954(昭和29)年に選定されています。
ところが、県花を実際に見たことがあるという福島県民はとても少なく、「どこに行けば見られるの?」と話題になったりします。
ハクサンシャクナゲの雄しべなどが花弁化し八重咲きになったもので、ヤエハクサンシャクナゲとも呼ばれます。1904年、吾妻山で最初に発見され、中原源治氏の採集した標本により牧野富太郎博士が命名しました。「根本石楠花」の和名は、中原源治氏の師であり、福島師範の教授であった根本莞爾氏の名前をとったもの。1913年に国の天然記念物に指定されています。

現在の生育地は吾妻山と安達太良山で、浄土平では桶沼付近に7月上旬〜中旬、いくつか開花します。まだご覧になったことがない方は、ぜひ一度訪ねてみてください。


花のスカイライン♪

 

ちょっと昔の歌のタイトルにもありましたが磐梯吾妻スカイライン〜高湯街道(県道70号線)沿線は花が豊富です。浄土平ビジターセンターではおもに浄土平近辺の花を紹介していますが、それとは違った種類の花があり、とくに道路沿線でたくさんの花がいっせいに開花した今年は、山麓で見かけた花について「あれは何の花?」とお客様から質問を受けることも多くなっています。
スカイライン沿線で今年とくに目につく花は薄紅色のタニウツギ、サラサドウダン、ナナカマドも多いです。3年前の浄土平にゅ〜す(No.45)にも同じ話題がありましたが、今年の咲き具合はほんとうに見事! 吾妻山は花の当たり年と言えそうです。                     

 

VCのイワツバメ

 

以前は 浄土平ビジターセンター玄関の軒にたくさん巣を作ったイワツバメ。3年前までは20個をこす巣が“集合住宅”風に軒を並べ、つがいによる巣作りから抱卵、ヒナの誕生、子育て〜巣立ちまでを間近に観察する楽しみがありました。
ところが、浄土平に飛来するイワツバメたちは2003年以降、ビジターセンターを営巣地として利用しなくなってしまいました。その要因については過去のにゅ〜す(No.54、55、58、63、67)でも考察していますが、安住の地にできない居心地の悪さ、危険な気配を敏感に感じ取っていたのかも知れません。昨年冬の“玄関天井崩落”も察知していたのでしょうか。
ビジターセンター以外につくった巣は今年もにぎわっています。ビジターセンター玄関の天井も完全に直りました。巣の形にはなっていないものの、若そうなつがいが巣材の泥を運んできている様子も見られます。今年はゼロのまま終わりそうですが、何年か後にまたイワツバメのにぎやかな営巣地になるといいですね。


「浄土平de探鳥会」レポート

 

去る6月11日、今年で二回目となる「浄土平de探鳥会」が開催されました! この企画は、福島市小鳥の森レンジャーの方をガイドとして迎え、浄土平付近で見られる野鳥を観察するというもの。今年は去年に引き続き、同施設レンジャーである鈴木弘之さんに案内していただきました。 

 スタッフ一同この日を楽しみにしていましたが、当日の浄土平は朝からあいにくの濃霧。そのせいもあってか、残念ながら参加者は0人…。お客様はいませんでしたが、せっかくなのでBESスタッフの研修を兼ねて鈴木さんに案内していただくことになりました。

 まずはレクチャールームにて、スライドで野鳥の写真を見ながら鳴き声の勉強です。鳴き声は、自分の声に置き換えて表現してみると覚えやすいそうですよ。実践してみると、なるほど野鳥それぞれの鳴き声の特徴がよくわかりました。

 一通りの説明を受けたら、いよいよフィールドへ出発です。今回は、浄土平から桶沼、兎平駐車場を通って栂平園地に出るコースをたどりながら、野鳥を探すことに。心配だった霧も、私達が出発する頃にはだいぶ晴れ、絶好の探鳥日よりになりました。しかもこの日の鳥達はとても元気で、ウグイス、ホトトギス、オオルリ、クロジ、ヒガラ、キクイタダキなどが、キレイな鳴き声で私達を迎えてくれました。鳴き声がわかると山歩きもより楽しくなりますね。オオルリとキクイタダキについては、その姿を見ることもできました。オオルリの深い青、キクイタダキの黄色、どちらも森の緑の中で存在感があり、見るものを引き付けました。

 こんなステキな経験ができる「浄土平de探鳥会」。年に一度の企画なので次回は来年なのですが、ぜひぜひ参加してみてください!
詳細は浄土平ビジターセンター(TEL:024-543-0986)、または吾妻・浄土平自然情報センター(TEL:024-591-3600)まで。お待ちしております。
(秋葉)

 

カエル祭りinスカイライン

 

6月11日夜、僕は土湯峠までモリアオガエルの産卵を見にスカイラインへ入りました。
霧で視界不良の中、スキー場まできて何か緑色の葉っぱのようなものがいっぱい落ちているのに気付きました。
「なんか葉っぱにしては立体的だな〜・・・」と思い車を降りて近くに行って見ると、

お、おおおお!!」
なんとすべてモリアオガエル。みなさん車が来てるにもかかわらずカエル特有の土下座スタイル(土下座っぽくないですか・・・?)を全く崩そうとしません。シャッター押しまくりです。
その後霧の中何匹かのヒキガエルをよけながら浄土平へ到着。今度はなにか細い枝のようなものが多数落ちていたのでよく見てみると・・・

なんと!浄土平から兎平まではクロサンショウウオ祭り状態今夜のカメラは超多忙です。いったい何匹いたのだろうか。彼らの間をぬうように車を走らせました。
クロサンショウウオ祭りを過ぎてつかの間、かなりりりしいヒキガエル(前足をのばし、外敵に対して体を大きく見せようとがんばっている)を発見。車を止め撮影を開始。しかしなにやら黒い影が側溝から多数出てくるではないか。

うぬぬぬぬ?」なんと大小様々なヒキガエルが右から左から湧き出てくるのです。あまりにいっぱいいたので気持ち悪くなり車を走らせました。(ごめんよヒキガエルさん...)

10時くらいに目的地である沼に到着。そしてついに念願のモリアオガエルの産卵をこの目で見ることができました。沼の真上の木の枝ではカエル団子が無数でき、「お前達今までどこにいたんだよ?」ってくらいのモリアオさんが沼に集結し、枝にアワアワの卵塊を産み付けていました。
卵を出したカエル達はすきっ腹に、そしてカメラのメモリーと僕の気持ちは満腹になり帰路につきました。(須田っち)

★この日のモリアオガエルの産卵写真は浄土平VCに展示してあります。
★夜間の道路は夜行性の生き物がよく横断します。注意してあげましょう。


吾妻山の特産種★吾妻星草

 

どうも私たちは「○○だけ」とか「○○限定」といった宣伝文句に弱いですが、ここ吾妻山限定の植物が夏に見られます。ホシクサ科のアヅマホシクサです。植物や動物などの名前でアズマ○○○という場合、たいていは東日本に多く生息するという意味ですが、これはずばり吾妻山の星草、8月〜9月に茎の先につける頭花を星に見立てた名前です。
生育地は亜高山の湿原で、吾妻山でも鎌沼周辺や景場平、麦平に限られます。他の植物との生存競争に弱く、湿原のなかで定期的に水たまりになったり干上がったりする他種が生育しづらい環境にだけ生育しています。5〜15cmの小さな植物で、見過ごされがちですが大変貴重な種。
どうですか? 吾妻山だけ、と言われると見てみたくなりませんか?             

 

タンポポたちの闘い

 

6月に入り湿気がジメジメ、雨がシトシトの梅雨の時期になりました。そしてもう一つ、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が施行されます。日本在来の生物達このことを知って、彼らの声を代弁すると、「よかった〜。」または、「まだまだ対策練ってよ。」などというかもしれませんね。      

さて、私たちの身近に見られる特定外来種に指定されていないが被害を加えている生物は意外にも多いものです。その一つにセイヨウタンポポがあります。今回はこのセイヨウタンポポを紹介したいと思います。
福島市周辺、磐梯吾妻スカイライン沿い、浄土平周辺には沢山セイヨウタンポポが咲いています。群生になっているところを見ると、思わず綺麗と思ってしまいます。しかしこのセイヨウタンポポは日本在来のタンポポと生き残りをかけた戦いをしているのです。セイヨウタンポポの特徴として、ヨーロッパ原産の多年草、明治時代に日本にきたとされています。日本在来のタンポポの花期が大体3月〜5月位に対して、3月〜9月、場所によっては、11月に咲いていたりと花期が大変長いです。また、繁殖様式が異なっていて日本在来のものは有性生殖(受粉しないと種子を作れない)に対し、セイヨウタンポポは単為生殖(受粉をしなくても種子を作れる)という特徴を持ちます。(日本在来のシロバナタンポポも単為生殖です。)このようにセイヨウタンポポは、強力な繁殖力を持っています。
そして最近では、日本在来のタンポポとセイヨウタンポポが交雑して、雑種を作っているという報告もあります。日本在来のタンポポのみならず、他の日本在来の植物も動物も住みかをこういった外来種に追いやられてしまうというのは、よろしいこととは思えませんが皆さんはこのことをどう感じますか? そしてあなたの住んでいるまわりでみられるタンポポはなにか探してみましょう。(最近都市部ではセイヨウタンポポに似た実が赤いアカミタンポポという種もあるそうです。)
(ちばっち)

 

酸ヶ平トイレ建設中

 

浄土平から鎌沼方面に約40分の酸ヶ平避難小屋前でトイレ建設工事が始まっています。工期は今年の秋までの予定。
一切経山ー〜鎌沼の登山道は通行できます。ヘリコプターによる資材運搬等が行なわれる日もありますので、安全のため現場の指示に従ってください。
また、登山コースの途中にはトイレがありません。出発前に浄土平公衆トイレをご利用ください。ご協力をお願いいたします。

 

訂正とお詫び

 

先月の浄土平にゅ〜すNO.71の「危険な植物の話」にて「モミジガサ(シドケ)と間違えてニリンソウ、トリカブトの葉を取る。」という文章を載せてしまいましたが、ニリンソウを間違えてトリカブトを取るケースが多いそうです。そして今年も何件か起きているようです。文章に誤りがあり、申し訳ありませんでした。深く反省し、二度と起こらないよう努めたいと思います。
ちなみにニリンソウにもアネモニンという毒があり食べる際には湯がく必要があるそうです。

 

兎平キャンプ場(浄土平野営場)休止のお知らせ

 

磐梯朝日国立公園の福島県福島市浄土平にある兎平キャンプ場(浄土平野営場)は、老朽化した施設の再整備工事をするため、平成17年6月1日〜平成18年4月下旬(磐梯吾妻スカイライン開通日まで)休止します。
ご利用の皆様には、大変ご迷惑をお掛けしますがご協力お願いいたします。


>>お問い合わせ
環境省 裏磐梯自然保護官事務所
TEL 0241-32-2221
環境省 北関東地区自然保護事務所
TEL 0288-54-1076

星空への招待 76.ディープインパクト
http://www012.upp.so-net.ne.jp/joudo/hosizora76.htm
6月〜7月に見られる花々  ※(  )内は花の色です

マルバシモツケ(白)、ネバリノギラン(うす茶)、 イソツツジ(白)、ベニバナイチヤクソウ(ピンク) 、ワタスゲ果穂(白)、クロマメノキ(うす黄)、モウセンゴケ(白)、ツマトリソウ(白)、アカモノ(赤と白)、ウラジロヨウラク(ピンク)、シラタマノキ(白)、ミヤマリンドウ(うす紫)、コケモモ(うすピンク)、シラネニンジン(白)、コバイケイソウ(白)、クロミノウグイスカグラ(うす黄)、マイヅルソウ(白)、ゴゼンタチバナ(白)、ハクサンシャクナゲ(白)、チングルマ(白)etc・・・

※6/22現在、周辺登山道にはまだ残雪がある箇所もあります。
※浄土平を含む東北南部は6/15梅雨入りしました。梅雨明け平年日は7/23ころです。
※浄土平周辺は梅雨の影響は少なく、高山植物の見ごろです。

バス時刻表
福島駅西口発着の●吾妻スカイライン一周・路線バスは1日2便です。
会津若松駅発着の●予約制定期観光バス(磐梯スカイライン号)もあります。
浄土平ビジターセンターホームページ「交通のご案内」及び「定期観光バス」のページをご覧ください。

★ 浄土平ビジターセンターの行事案内 ★
詳細はお問合わせください。参加費は無料です。
原則毎週開催の行事も 事前に開催の有無をご確認ください。

毎週日曜日(午前の部)9時30分〜、(午後の部)午後1時〜
『浄土平自然解説おじさん』 案内:福島県植物研究会員
浄土平湿原周辺を“解説おじさん”こと植物研究会の先生と散策します。特別な準備は必要ありません。 飛び入り参加もOKです。
※7月17日〜8月21日は土日開催。ただし8月13、14日はお休み。

6月5日(日)〜毎週日曜日 午前9時30分〜 ※7月23日〜8月21日は土日開催!
『吾妻山自然教室』 案内:信夫山岳会員
鎌沼自然探勝路を吾妻山を熟知する案内人と登山します。所要約3時間。登山できる準備をしてお越しください。一般向きのトレッキングコースです。
※7月31日(日)は「吾妻連峰ウォークラリー」開催のためお休みします。
8月7日(日)午後1時00分〜(ジョイントコンサート)
『弦楽ミニコンサートin浄土平』 演奏:福島大学管弦楽団
『フォルクローレinあづま』 演奏:アミーゴ・デ・川俣

『ネパール・エベレスト街道写真展』開催中! 
今年3月、当センタースタッフが訪ねたネパール東部ルクラからサガルマータ国立公園へと続く“エベレスト街道”を中心に、ヒマラヤの展望、街道トレッキング、カトマンズの街、ネパールの子どもたち、植物、食べもの、チョウ類などの写真80点ほどを展示。展示写真プレゼント企画もあります!

〜ご覧いただいた方の感想より〜
「一生に一度生の山並を見てみたいと思いました」
「ぼくはエベレストがどこにあるか知らなかったので勉強になりました。いきたくなりました」
「山が好きな人は少なからずあこがれる山、僕も三浦雄一郎さんくらいとしがいってから登頂しようかな…」

■平成17年6月4日(土)〜7月18日(月) 時間:午前8時〜午後5時 
場所:吾妻・浄土平自然情報センター TEL 024-591-3600
http://www012.upp.so-net.ne.jp/joudo/ni_center.htm

■平成17年7月23日(土)〜8月31日(水) 時間:午前8時〜午後4時30分 
場所:浄土平ビジターセンターTEL 024-543-0986

開催場所をご確認ください。両センターとも無休、入場は無料です。
★夏の夜間開館★
7/23〜8/28「星と自然の浄土平まつり」期間中の毎週土曜日、ビジターセンターも夜間開館します。
7/23、8/20、8/27は〜22時まで。7/30、8/6、8/13は〜21時まで。
天文台、レストハウスとあわせてご利用ください。
定期観光バス(会津バス)のご案内
平成17年4月23日〜11月15日運行。「予約制」です。詳しくは
会津バス若松営業所 TEL 0242-22-5555 FAX 0242-22-5562
http://www.aizu.com/bus/へ。今年から福島交通の定期観光バスはなくなりました。

磐梯スカイライン号(昼食付き)
会津若松駅前 8:30発→(裏磐梯方面経由)→浄土平 14:40〜15:15(35分間)→ 高湯温泉15:45着 →福島駅西口 16:15着 → 会津若松駅前18:30着