大山では少しずつ紅葉が始まり、秋の気配を感じます。
そんな秋の大山では、興味深い花が咲いていたり、面白い実が落ちています。
今日はそんな中でも、この時期(10~11月)にとくに目に入るこちらの花をご紹介します!
名前(標準和名)は「キクバヤマボクチ」といいます。
キク科ヤマボクチ属の多年草で、本州(愛知県以西)、四国、九州地方に自生するとされています。
明るい森林や草原に生えており、大山でも行者谷コースや元谷など登山道沿いなどでしばしば見かけます。
名前の由来は、葉っぱが菊(キク)に似ていることから「キクバ」、
山に生える火口(ホクチ)なので「ヤマボクチ」というそうです。
火口(ホクチ)とは火打石などで火をおこすとき最初に着火させる燃えやすい材料のことです。
色々調べてみると、その昔、キクバヤマボクチの葉っぱの裏に生える白い綿毛を使ったという説や、
密集する総苞片に生えるクモ毛(クモの巣のような毛)を使ったという説があるようです。
頭花は筒状花(筒状の形をした花)から成り、触っていると白いもこもこしたモノが出てきます。
この白いもこもこは花粉です。花粉がすべて外に出た後に、筒状花の奥から白く細長い雌しべが出てくるのです。
虫が花に触ったときに、身体に花粉がつくようにし、さらに雌しべについて受粉させるための戦略ですね。生物のしたたかさを感じます。
大山ではこの他にも様々な花や実を見ることができます。
『大山の森だより 秋号』でも何種類かご紹介しています。ぜひ見てみてください!
山頂をめざす登山の合間に、ふと足元や頭上を見上げてみてはいかがでしょうか。
面白いモノが発見できるかもしれませんよ。