浄土平のシンボル・吾妻小富士(あづまこふじ)は、地形は楽しいのですが植生に乏しいため、通常 “開花状況”をお知らせすることはほとんどありませんが、そろそろ、あの花が開花したのでは、と期待しつつ火口壁を一周してみました。
浄土平駐車場から火口壁の縁まで、15分程度で登りきることができます。
そこから時計回りに、直径約450mの火口を一周できます。
標高1707mの「山頂」は、火口壁を半周した反対側になります。
反時計回りはダメというわけではありませんが、より安全に歩いていただくために、私たちは「時計回り」を推奨しています。
火口壁を左手に進んで、時計回りに歩き始めると数分でこのスポットです。
「日本じゃないみたいな絶景」、「福島は外国だった?!」などと最近も話題に。
一周しなくても、この辺りまで来てまた戻っても十分楽しめると思います。
崩れやすい砂礫に覆われていますが、直接風が当たりにくい岩陰などには植生が意外に繁茂しています。
メイゲツソウは荒れ地のパイオニアとも言えます。
そして、今回のお目当てはシャジンの花でした。
山頂付近に、メイゲツソウに混じって咲いていました。
浄土平のほかの場所には咲いていないのです。
いま見ごろですが、つぼみもまだあるので、あと一週間程度は楽しめると思います。
火口壁の外側、少し離れた位置なので、意識して探しながら歩かないと見逃してしまうと思います。
火口を時計に例えると 浄土平側から見て、おおむね9時と12時の位置辺りを探してみてください。
この日、この反対の福島市街地方面は、雲に隠れていて見えませんでした。
山頂を過ぎると、正面に安達太良山、高山、兎平、東吾妻山などを望みながら
やや幅の狭い火口壁に沿って歩きます。
この辺りは赤茶けたスコリアなど、火山らしい岩々が露出しています。
火口の内側を覗くと、ミヤマホツツジも咲いていました。
その他、マルバシモツケ、クロヅル、オニノヤガラ、ノリウツギなどもあって、
浄土平と同様の種類、あるいは浄土平では見られない種類の植物が吾妻小富士にあったりして、意外な発見でした。
「植生が乏しい」は間違った認識だったかもしれません。
火山地形と磐梯吾妻スカイラインが作りだす絶景ばかりでなく、植物に注目してみても意外に楽しい吾妻小富士なのでした。
強風時には無理な登山はしないでください。
滑りやすいので歩きやすい、しっかりした靴で歩きましょう。
天候が急変する場合もあるので雨具等も携行したほうがよいです(山頂付近で雨になっても、戻って来るのに30分程度かかるので、雨具がなかったら悲惨です…)