自然紹介 2022/08/24

上高地 晩夏〜初秋の花道中*明神へ

お盆を過ぎると、夏から秋へと季節が足早に変わってゆく上高地。お花もいよいよ終盤です。花道中シリーズ最後は、明神への道すがらで出会ったお花たちで締めくくりたいと思います。


サラシナショウマ


群生するサラシナショウマ

大きいものでは2mにもなるのっぽさんで、白いブラシのような穂状の花が特徴のお花です。
これが咲き出すと上高地もいよいよ秋だなぁと、スタッフ間の季節の指標にもなっています。
蝶などの虫が集まりやすく、群生して咲いていると見応えもグンと増します。


ハンゴンソウ

こちらもサラシナサショウマと同じく大型で、群生して咲くので目立ちます。
よく似ているキオンというお花も同時期に咲いていますが、多く見かけるのはハンゴンソウの方でしょう。


こちらはキオン

両者の見分け方は葉っぱの形。キオンは葉が分裂していませんが、ハンゴンソウは分裂していて、その様子が手招きする人の手のように見えることから、死者の魂を呼び戻す意味である「反魂」と重ねてこの名前がついたのだとか。


アケボノシュスラン

小さく、上高地では数も少ないため、気づかずに通り過ぎてしまい勝ちですが、知る人ぞ知る愛らしいお花です。
名前の「アケボノ」を示すのは花の色。夜明けの空を思わせる暁のような淡い色合いが、なんとも情緒的です。


アケボノソウ(※こちらは河童橋下流右岸にて撮影)

アケボノシュスランと同様、名前に「アケボノ」を冠しており、こちらも花を夜明けの空に見立てています。花びらの先の方に散らばる黒い斑点が、白みつつある空に残る星々のようだからとのこと。
名前の由来もロマンチックで素敵ですが、花そのものもほうっと見惚れる美しさです。


アズマヤマアザミとキアゲハ

上高地で咲くアザミ類の中で、一番ののっぽさんです。淡いピンク色の花が生み出す蜜はよっぽど美味しいのでしょう、蝶たちがよく吸蜜しに訪れます。


シラネセンキュウ

セリ科の仲間の最後を飾るのがこのお花です。
オオカサモチやオオハナウドよりも華奢ですが、それだけに繊細な印象を持ちます。
小さな小花がたくさん寄り集まって咲くので、真上から見るとレースのようで、インテリアや小物にしたい可愛さです。


コウシンヤマハッカ

「コウシン」は漢字で「甲信」と書くように、山梨県と長野県に分布しています。
木陰などの目立たない場所に咲くため、注目されにくい感がありますが、小さな青紫色の花は慎ましい美を感じます。
そして、花が終わって枯れた後も楽しませてくれるのがこのお花。氷点下まで気温が下がった晩秋の朝、枯れた茎の水分が凍みて生まれる氷柱は、一見の価値ありです。


ご紹介したお花はアケボノソウを除き、河童橋から明神に続く左岸側の道中で出会った子たちです。左岸の方は土や砂地の道で単調に思われ勝ちですが、お花を見るなら右岸より左岸がおすすめ。木々の間から時折見える梓川ブルーや、明神岳なども散策に花を添えてくれます。


清らかな梓川


威風堂々とした明神岳

これから紅葉シーズンまでは、華やかさの面では物足りないかもしれませんが、涼しくなり、人気が減って静かに散策するにはもってこいですし、これらのお花をはじめ、実やキノコなどを見つける楽しさや、季節の移り変わりを存分に感じていただけると思います。しっとりとしたこの時期の上高地で、ゆったり過ごすひとときはまた格別ですよ。


パンケーキのようなキノコ


真っ赤になったオオカメノキ(ムシカリ)の実

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